日本臨床細胞学会雑誌
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症例
多数の印環細胞が出現した中皮腫の 1 例
―細胞学的な鑑別診断に注目して―
鶴岡 慎悟河村 憲一松井 宏江鈴木 隆三瓶 祐也江原 輝彦是松 元子林 久美子前田 昭太郎清水 健
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2023 年 62 巻 3 号 p. 151-158

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抄録

背景:多くの印環細胞が出現し,腺癌との鑑別が問題となった中皮腫の一例について報告する.細胞学的な検討では鑑別が問題となる細胞と比較し,加えて印環細胞の文献的考察と遺伝子変異について検討した.

症例:65 歳,男性.アスベスト曝露歴あり.PET-CT で胸膜中皮腫が疑われ,胸水穿刺吸引細胞診が施行された.多くの細胞は空胞状細胞質を示すことから腺癌との鑑別が問題となったが,核所見や微絨毛所見,メタクロマジーを示した細胞が混在することから中皮腫を推定した.同時に作製したセルブロックから免疫組織化学染色を施行し,中皮腫と診断した.

結論:腺癌細胞と中皮腫でみられた印環細胞に形態的な違いがみられた.検討と文献的考察よりメタクロマジーを示した印環細胞は中皮腫の特徴と考えられた.また,周囲の中皮腫細胞と遺伝子変異を比較した結果,印環細胞も同様の遺伝子変異を起こしていることが示された.

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