日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
症例
傍精巣に発生した胎児型横紋筋肉腫の 1 例
木下 裕也福永 光志朗岡本 真衣紫垣 まどか逢坂 珠美立山 敏広北岡 光彦
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 63 巻 5 号 p. 257-263

詳細
抄録

背景:胎児型横紋筋肉腫(embryonal rhabdomyosarcoma:ERMS)はあらゆる部位に発生するが,頭頸部や泌尿生殖器に多い.今回,傍精巣に発生した ERMS の 1 例を経験したので報告する.

症例:20 歳代,男性.右陰囊の腫大があり前医を受診され,精査目的で当院へ紹介された.MRI にて右精巣に 58×103×159 mm 大の腫瘤を認めた.その後,右高位精巣摘除術が施行された.術後捺印細胞診では,裸核状や楕円形の腫瘍細胞が不規則重積性のある集塊で出現しており,核腫大と大小不同,核形不整を認めた.また,一部にヘビ状でライト緑好染の腫瘍細胞が出現しており,細胞質に横紋を認めた.組織診では,N/C 比の高い腫瘍細胞や空胞状の細胞質を有する腫瘍細胞が不規則な増生を示していた.また,好酸性細胞質を有する細胞を認めた.免疫組織化学的検索も加え ERMS と診断された.

結論:横紋筋肉腫(rhabdomyosarcoma:RMS)は,細胞診にて細胞質に横紋を認めることは少なく,通常は免疫染色や遺伝子解析などから確定診断となることが多いが本例では横紋を認めたことで,RMS の推定ができた貴重な症例を経験した.

著者関連情報
© 2024 公益社団法人 日本臨床細胞学会
前の記事
feedback
Top