2024 年 63 巻 6 号 p. 285-294
目的:迅速細胞診(rapid on-site cytology evaluation:ROSE)の有用性と異型細胞の細胞所見について検討した.
方法:経気管支生検と超音波気管支鏡ガイド下針生検に ROSE が施行され,組織診断が確定した 254 例を用いた.ROSE と細胞診最終報告(final cytology report:FCR)で,悪性疑い以上の組織診断一致率と判定別の悪性危険度を検討した.異型細胞は良性群と悪性群に分類し,背景,出現パターン,大型孤立性細胞の有無,細胞質の所見を比較した.さらに悪性群で有意差のあった壊死と大型孤立性細胞を,悪性を疑う所見として再評価した.
成績:ROSE は FCR と比べ感度と特異度に差はなく良好だったが,悪性危険度は異型細胞で 18/28(64.3%)と高い傾向にあった.異型細胞の悪性群は壊死と大型孤立性細胞が有意に多く,化生性細胞質は良性群で有意に多かった.再評価では感度が FCR と同程度に上昇し,異型細胞の悪性危険度は 6/14(42.9%)と改善された.
結論:ROSE の診断精度は高く,壊死と大型孤立性細胞の所見で再評価することで悪性危険度は改善し,診断精度は向上する.