2025 年 64 巻 3 号 p. 136-141
背景:術前に組織型の推定に至らなかった尿管原発小細胞癌を経験したため,自然尿,腎盂尿管カテーテル尿の細胞像を中心に報告する.
症例:70 歳代,男性.下痢,下腹部痛を訴え当院受診.CT 検査にて左水腎症および左尿管中部に結節性病変を認めた.尿細胞診と生検材料の病理検査にて高 N/C 比でクロマチンに富む異型細胞が認められたことから高異型度尿路上皮癌が疑われ,後腹膜鏡下左腎尿管全摘出術が施行された.摘出標本において類円形核を有し,細胞質に乏しい腫瘍細胞が認められ,小細胞癌と診断された.
結論:小細胞癌は予後不良のため尿路上皮癌との鑑別がきわめて重要である.両者は細胞学的に鑑別が困難となることもあるが,細胞質の乏しい異型細胞や木目込み細工様配列など,小細胞癌を疑う所見を認めたときは積極的に免疫細胞化学染色を追加し鑑別につとめるべきである.