日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部上皮内癌および微小浸潤癌の細胞・組織学的検討
特に腺侵襲癌巣について
入江 砂代入江 康司笹栗 靖之森松 稔有馬 昭夫
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1982 年 21 巻 3 号 p. 550-558

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抄録
円錐切除術の施行された上皮内癌12例, 微小浸潤癌6例の18症例について, 病理組織学的に腺侵襲癌巣 (G. L) の程度をIII度に分類し, その細胞像について観察した. G. I. の軽度は上皮内癌6例, 中等度は上皮内癌4例と微小浸潤癌1例, 高度は上皮内癌2例と微小浸潤癌5例であった. 軽度例では労基底型悪性細胞を主体とし, 中等度~高度例では中層型悪性細胞の増加をみ, さらにG. I. が高度になるに従い多数の悪性細胞の出現を認めた. 核の長径ではG. I. 軽度の上皮内癌に比較し, G. I. 中等度~高度の上皮内癌と微小浸潤癌例がより大型で, 大小不同をみ, 細胞の長径ではG. I. 中等度~高度の上皮内癌例が最も大きく, 微小浸潤癌例ではやや小型であった. N/C比では, G. I. 軽度の上皮内癌が高値を示したが, 上皮内癌例と微小浸潤癌例問には有意差はみられなかった. G. I. の程度別細胞所見では, G. I. が軽度例は労基底型悪性細胞を主体とするC. I. S. パターンで, G. I. が中等度~高度になると細胞に多形性を認め, G. I. 中等度~高度の上皮内癌例と微小浸潤癌例の細胞像は極めて類似していた. われわれの観察では, 微小浸潤の有無にかかわらずG. I. が高度になる, すなわち癌病巣の範囲が広くなるに従い, 細胞学的に細胞の多形性と出現状態に多様性を認めた.
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