日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
乳腺穿刺細胞診の新たな針洗浄法
その方法の確立と, 他の針洗浄法との比較検討
北村 隆司那須 直美楯 玄秀光谷 俊幸土屋 眞一太田 秀一
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 39 巻 3 号 p. 170-178

詳細
抄録
目的: 今回われわれは生理食塩水 (PSS) の持つ高い洗浄効果と高濃度のアルコール固定を組み合わせた新たな穿刺針洗浄法 (昭和大学藤が丘病院式針洗浄法: SF式洗浄法) を考案し, その検討を行った.
方法: 摘出手術が施行された乳腺腫瘤48例を用いて, SF式洗浄法に使用する固定液と手技の検討, ならびにSF式, PSSおよびサコマノ液による各種針洗浄法の細胞像の特徴について検討した.
成積: SF式洗浄法のもっとも適切な手技は,(1) 穿刺吸引検体の直接塗抹標本作製後PSSにて注射針内を洗浄, 直ちに洗浄液を10%ポリエチレングリコール加95%エタノール液に入れ細胞を固定 (アルコール最終濃度は85%前後に調整).(2) ボアフィルター法あるいはサイトスピン法にて集細胞.(3) 冷風にて乾燥.(4) 95%エタノール再固定.であると思われた.各種洗浄法の細胞像の特徴はPSS洗浄法では細胞および核の膨化が著しく, サコマノ液針洗浄法では核クロマチンの淡染化が目立った.これに対して, SF式針洗浄法では直接塗抹標本とほぼ同様な核の染色性が得られた.
結語: SF式針洗浄法は手技に特別な技術を要することなく良好な細胞標本が得られることから, 直接塗抹標本作製時における必須の補助的標本作製法となり得るものと考えられた.
著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top