抄録
背景:Desmoplastic small round cell tumor (DSRCT) の1例を報告する.
症例:患者は31歳の男性で, 腹腔内腫瘤を開腹により摘出した.摘出腫瘍の捺印細胞診では小型円形細胞の島状集塊が散在性に出現していた.組織学的には小型円形細胞が胞巣状に問質の線維増生を伴って増生し, 免疫染色でcytokeratin, EMA, vimentin, desmin, S-100, NSEが陽性であった.電子顕微鏡による観察では細胞質内に中間径フィラメントの凝集と細胞間のデスモゾーム形成を認めた.
結論:DSRCTの細胞診では個々の腫瘍細胞の形態からは骨外性Ewing肉腫や横紋筋肉腫, 小細胞癌, 悪性リンパ腫などの小型円形細胞よりなる腫瘍との鑑別が困難であるが, 腫瘍細胞の出現パターン, 腫瘍の発生部位や患者年齢などの臨床情報が病変推定のポイントとなる.