日本臨床細胞学会雑誌
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甲状腺原発平滑筋肉腫の1例
大竹 弘子渡辺 智恵山崎 博子平戸 純子
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2000 年 39 巻 4 号 p. 258-262

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抄録
背景:甲状腺原発平滑筋肉腫はきわめてまれであり細胞像の特徴も明らかにされていない.
穿刺吸引細胞診で組織型確定に苦慮したが免疫組織化学的検索により平滑筋肉腫と確定できた1例について報告する.
症例:86歳, 女性.左前頸部腫瘤で発症し, 穿刺吸引細胞診を施行した.腫瘍細胞の多くは散在性あるいは結合性の乏しい集塊をなしている.細胞質は紡錘形で狭いものと多稜形で豊富なものとがあり, 核は類円形ないし紡錘形で大きく, 両端は鈍で大小不同を示す.多くは肥大した明瞭な核小体を有していた.未分化癌あるいは肉腫が疑われた.組織学的所見では紡錘形細胞が錯綜する線維束を形成し密に増殖しており, 核分裂像が散見された.明らかな癌の要素は認められず, α-smooth muscle actin, desmin陽性cytokeratin, EMA陰性であった.以上より平滑筋肉腫の診断を得た.
結論:甲状腺の平滑筋肉腫は未分化癌および他の肉腫との鑑別が難しく, 細胞診のみでは診断困難であり, 免疫染色・電顕による検索が必要と考えられた.
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