日本臨床細胞学会雑誌
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穿刺胆汁細胞診が有用であった胆道カンジダ症の1例
佐藤 明谷岡 その
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2000 年 39 巻 5 号 p. 347-353

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抄録
背景:まれな胆道カンジダ症の診断は摘出胆嚢からの胆汁培養や剖検時の胆嚢の組織学的検索によってなされており, 穿刺胆汁細胞診で診断された報告例はない.今回われわれは穿刺胆汁細胞診が本症の診断にきわめて有用であった1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告した.
症例:症例は81歳, 男性.発熱および食思不振で来院され, 肺炎が疑われて入院となる.広域抗生剤の点滴にて改善傾向を示すも微熱が持続するため抗生剤を投与し続けていた.胆道結石に伴った胆嚢炎および胆管炎症状が出現し, 血中のエンドトキシンが高値になったため経皮経肝胆嚢穿刺ドレナージを行った.胆汁細胞診ではライトグリーンに淡染し重屈折性を示したり, 胆汁色素で鋳型状となった2-8μmの菌糸と分芽胞子, 大きさや形が均一な厚膜胞子が多量にみられ, 胆道カンジダ症と判定した.また, 胆汁からはCandida albicansのみ培養された.その後胆道カンジダ症に肺炎と出血性胃潰瘍を併発し, 死亡された.剖検では結石とカンジダ菌球を伴った胆嚢炎であり, 播種性カンジダ症に進展していた.
結論:本例はグラム陰性菌感染が合併あるいは先行し, 胆道カンジダ症から播種性カンジダ症に至ったものと考えられた.胆道カンジダ症は広域抗生剤の長期使用と結石による胆汁うっ滞が関与し, 経消化管的に発症したものと考えられた.
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