抄録
目的:Pipet curetによる子宮内膜吸引組織診の有用性を検討した.
方法:Pipet curet吸引組織診とエンドサーチやエンドサイトによる内膜細胞診, さらにセルブロック法組織診の3法を同時に行い, おのおのの成績を比較した. また経膣超音波断層法による子宮内膜の厚さを計測した.
成績:1.Pipet curetの挿入の難易度と痺痛はエンドサーチなどとほぼ同等であった.日母型キューレットに比べると明らかに痺痛は少なかった.
2.Pipet curetによる採取量は, 組織十分例が58例, 組織少量例が22例, 組織ほとんどなしが4例で, おのおの平均年齢は46.1歳, 53.9歳, 56歳であった.閉経率は6.9%, 75%, 100%で, 内膜の厚さは9.2mm, 4.2mm, 3.3mmであった.
3.細胞診疑陽性例12例においてはPipet curet吸引組織診では正常8例, 単純型増殖症1例, 複雑型増殖症1例, 複雑型異型増殖症1例, 類内膜腺癌1例と診断された.細胞診陰性60例においてはPipet curet組織診で正常54例, 単純型増殖症3例, 複雑型増殖症3例であった。
4.Pipet curet十分例では1切片で内膜腺が約90から約6,000観察された.エンドサーチなど採取セルブロックに比べ約4倍から約127倍多かった.Pipet curet少量例では内膜腺は約50から約140観察された.エンドサーチなどに比べ約2倍から6倍多かった.
結論:疹痛が軽度で採取量の多いピペットキューレットは, 子宮内膜増殖症や早期体癌の診断に有用と考えられた.