抄録
背景: 子宮頸部小細胞癌は子宮頸癌の1~6%とまれな腫瘍である. ことに抗利尿ホルモン異常分泌症候群 (SIADH) を伴った症例を経験したので報告する.
症例: 41歳, 経産婦. 突然の異常行動のため近医を受診. 血液生化学検査により, 低Na血症と診断された. 精査目的で当院紹介され受診. MRIにて子宮頸部全体を占める隆起性病変を指摘された. 術前子宮頸部擦過細胞診ならびに生検が施行され, 細胞診クラスV, 小細胞型扁平上皮癌, 組織診にて扁平上皮癌成分を伴う小細胞癌と診断した. 広汎性子宮全摘出術が施行され, 術中捺印細胞診では鋳型状細胞配列や核線を伴い小細胞癌と診断した. 組織学的には小細胞癌であり, 部分的に扁平上皮への分化を示した. 免疫組織学的検索ではNSE, Chromogranin A, Synaptophysinがいずれも陽性, 電子顕微鏡的検索にて細胞質内に神経分泌顆粒を認めた.
結論: 予後不良な本疾患の早期診断上, 細胞診が果たす役割は大きい. 臨床情報も参考に精細に観察する必要がある. この観点から擦過細胞診と腫瘍捺印細胞診の併用は本腫瘍の診断に有用でった.