2009 年 11 巻 1 号 p. 25-30
院内における転倒転落関連の事例が後を絶たないのは、いずれの病院においても永遠の課題である。当院では、転倒転落後の対応や記録が十分になされておらず、転倒転落後の対策も病棟毎に任されているのが現状であった。もはや看護師だけの活動では転倒転落予防策、並びに転倒転落後の患者への的確な処置と、家族に対する説明責任が確実に果たせないことが明確となり、これらの状況を解決する必要があった。
そこで、新たに転倒転落に関連する診療科の医師(整形外科・脳外科・精神科・リハビリテーション科)、薬剤師をメンバーに迎え、転倒転落関連医療安全対策チームを立ち上げた。先行研究を参考にしながら、当院独自の「転倒転落後フローチャート・クリニカルパス」を作成し、院内共通の対策ツールとして活用を可能にした。さらに、院内LANを通じた医療者間における情報の共有化も可能にした。
今回、作成に至る経緯を交えながら、完成した「転倒転落後フローチャート・クリニカルパス」について紹介したい。