2020 年 40 巻 4 号 p. 499-503
社会の急激な高齢化とそれに伴う地域包括医療の推進によって,要介護者や有病者への対応の必要性が高まり,さらに周術期口腔機能管理の保険診療導入を契機に,医科歯科連携体制構築の重要性が注目されている.しかしながら,歯科関連の診療科を併設していない病院もいまだ数多く存在し,それらの病院との医科歯科連携体制の構築は急務と考える.そこでわれわれ,本学スペシャルニーズ歯科と摂食嚥下リハビリテーション科は,歯科医師と歯科衛生士による口腔機能管理,口腔衛生管理と摂食嚥下リハビリテーションの介入により,医科歯科連携を推進することを目的とし,2017年5月より歯科関連の診療科を併設していない病院の入院患者への訪問診療を開始した.今回われわれは,開始から2年間の現状を調査し今後の方針について検討を行った.
対象は26歳から101歳までの180人で後ろ向きの調査を行った.診療依頼元で最も多かったのは腫瘍内科で,主な原疾患は悪性新生物82人が最も多かった.延べ症例数は666例で,月別の推移では変動はあるものの1年目に緩やかに増加し2年目に横ばいとなったが,医科側からの要請はいまだ増加傾向にある.診療内容では口腔衛生管理265例が最も多くなった.
今後,ますます医科からのニーズの増加が予想される.医科歯科連携に適切な対応,診療が行えるように,歯科として常に知識と技術を更新し,準備をしておくべきであると思われた.