日本障害者歯科学会雑誌
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原著
神奈川県における小児在宅歯科医療の現状に関するアンケート
―第2報 保健所における調査―
小松 知子宋 文群松澤 直子萩原 大永村 宗護田中 直人有輪 理彦大澤 智子水田 康裕鎌田 有一朗横山 滉介李 昌一井野 智櫻井 孝
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2022 年 43 巻 2 号 p. 109-114

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抄録

保健所は,地域歯科医療における多職種の連携の窓口・要としての役割は大きいが,小児在宅歯科医療への関わりについての実態は明らかではない.そこで,神奈川県内の保健所・保健センター/保健福祉事務所(保健所等)を対象に小児在宅歯科医療の連携や提供の実態を把握することで,課題の抽出と今後の取り組みを検討した.

対象となった保健所等32件中23件(回収率71.9%)から回答が得られた.小児在宅歯科医療に関する相談などは保健師からとの回答が最も多く,それに附随して連携すべき機関は「福祉保健センター」,情報共有すべき職種としては「保健師」が多くを占めた.小児在宅歯科医療における歯科との連携における問題点としては実態の把握が困難であると回答した機関が73.9%と多かった.研修会に参加したいと回答した機関は82.6%を占め,すべての機関で小児在宅歯科医療に対応可能な歯科医院リストを活用したいとの回答を得た.

小児在宅歯科医療の提供に関わる詳細な情報の共有・提供,地域の保健所と歯科医療機関との連携体制の整備,小児在宅歯科医療を担う人材の育成が急務であると考えられた.

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© 2022 一般社団法人 日本障害者歯科学会
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