2002 年 43 巻 1 号 p. 35-42
高知県高岡平野において, ボーリングにより採取した堆積物に対して全硫黄 (TS) ・全窒素 (TN) ・全有機炭素 (TOC) をCNS元素分析を行うことにより求め, 地球化学的性質の深度分布を明らかにした. また, CNS元素分析結果から得られるTSとC/S比が堆積環境 (淡水成・汽水成・海成) 評価にとくに有意であることが示唆された. 以上のことから本報告では, 堆積環境評価におけるCNS元素分析結果の有用性を指摘している.
さらに, これら地球化学的データを加味して, 完新世における海水準変動に伴う海進・海退や河川の影響等によって形成された高岡平野の古環境変遷を推定した.