頭頸部外科
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症例
Transoral Video-laryngoscopic Surgery(TOVS)で摘出した口蓋扁桃原発濾胞樹状細胞肉腫の1例
渡邉 嶺酒井 昭博飯島 宏章山内 麻由小倉 豪中村 直哉大上 研二
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2020 年 30 巻 2 号 p. 247-252

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抄録

濾胞樹状細胞肉種(Follicular Dendritic Cell Sarcoma;FDCS)は,リンパ濾胞内の抗原提示細胞である濾胞樹状細胞から発生する稀な悪性腫瘍である。今回われわれは74歳女性の扁桃原発のFDCSを経験したので若干の文献的考察を加え報告する。腫瘤は左口蓋扁桃に存在し,直径25mm大であった。生検の結果,FDCSと診断され,Transoral Video-laryngoscopic Surgery(TOVS)により腫瘍を切除した。術後病理診断では切除断端陰性で,術後補助治療なしに経過観察中である。近年報告例が増加しつつあるが,治療法は確立されておらず今後の検討が必要である。

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