頭頸部外科
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症例
舌部分切除および頸部郭清術後に発症した劇症型溶血性連鎖球菌感染症の1例
藤井 慶太郎岸本 和大森田 真吉西條 聡今井 隆之浅田 行紀
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2021 年 31 巻 1 号 p. 65-70

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抄録
65歳男性。舌癌(T3N0M0)にて舌部分切除ならびに頸部郭清術を施行している。術後11日目より創部から浸出液の流出を自覚,術後13日目に発熱あり,咽頭痛・胸痛を伴ってきたため術後14日目に受診。短時間のうちに急激に全身状態の悪化を認め,敗血症性ショックとして治療介入を行ったが,救命しえず,来院後24時間で死亡した。後日,頸部浸出液からの細菌培養にてStreptococcus pyogenesが検出され,劇症型溶血性連鎖球菌感染症(STSS)と診断した。分離菌の血清型はM12型であり,保有する発熱毒素遺伝子はspeBspeF陽性であった。STSSは急激にショック状態に陥るため救命困難なケースも多い。頭頸部領域においてはまれな疾患ではあるが,鑑別のひとつとして考慮に入れて診療にあたる必要がある。
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© 2021 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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