2009 年 78 巻 2 号 p. 175-179
日本および中国原産の東洋系 Vitis vinifera 6 品種および対照として V. labrusca 2 品種を 6 種類のマイクロサテライトマーカーの参照アレルで解析した.東洋系の 1 アレルおよび V. labrusca の 3 アレルは,これまで西洋系品種には報告されていないものであった.これらのデータおよび報告されているデータを V. labrusca,V. vinifera の東洋系,および西洋系のブドウ栽培地域でグルーピングしてアサイメントテストを行った結果,東洋系 8 品種のうち 4 品種が東洋系にアサインされたが,西洋系 162 品種のうち東洋系にアサインされたものは 3 品種のみであった.これらのアサイメントテストの結果は,マイクロサテライトデータから計算した遺伝距離を反映したものであった.これらの結果から,東洋系品種は,V. vinifera 種のなかで西洋系品種とはある程度の遺伝的距離があることが示された.