2013 年 82 巻 2 号 p. 125-130
ブドウ野生種,および栽培品種の関係を知るため,幅広い試料(北米系野生種,東アジア系野生種,Vitis vinifera,V. vinifera × V. labrusca 栽培品種)を用いて,8 SSR 遺伝子座の解析を行った.SSR genotyping によって,野生種は栽培品種よりも高度に多様であることが示された.試料間の距離(1‐共有アレル率)をもとに主座標分析(PCoA)を行ったところ,野生種と栽培品種が明確に分離した.日本の在来ブドウ品種‘甲州’および中国の在来ブドウ品種‘牛奶’は,若干の特異的なアレルを持っていたが,PCoA で V. vinifera品種群の中にプロットされた.