園芸学会雑誌
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高温条件下におけるホウレンソウ種子の発芽に及ぼす果皮の抑制作用
菅沼 教生大野 始
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1984 年 53 巻 1 号 p. 38-44

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抄録
ホウレンソウ種子の発芽に及ぼす高温の影響について, 西洋系品種ノーベルを用いて検討した. 発芽は20°Cで最も良く, 温度が高くなるにつれて抑制され, 35°Cにおける発芽率は10%程度であった. 高温における発芽不良は, 果皮の除去によって著しく改善された. また,水への浸漬処理によっても発芽は促進された. 果皮を除去した種子の発芽は, 種子及び果皮の水抽出液により抑制されたが, 浸漬処理をした種子の水抽出液では抑制されず, 抽出前の置床温度による抑制効果の違いもほとんど見られなかった. これらのことから, 果皮中に発芽抑制物質が存在することが示されたが, 硫酸処理, 過酸化水素処理によっても発芽率が向上したことから, 高温における果皮の発芽抑制作用を, 果皮中の発芽抑制物質のみに帰することはできず, 果皮の機械的強度やガスの透過性などの物理性も関与していることが示唆された. また, 果皮を除去した種子でも, 高温における発芽速度が遅く, 胚への高温の直接的影響も認められた.
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