抄録
キュウリの内部形態の観察結果に基づいて, 主茎及び果実内での転流経路を, 14Cを指標にして調べた.
1. 主茎の第7葉から転流した14C-光合成産物は,14CO2施与開始20分後に第7葉直下の節間にのみ, また直下の節間を通る9本の維管束については, 第7葉側の維管束Dにのみ認められた.
2. 14CO2施与開始90分後及び20時間後には, すべての節間で14C-活性が認められた. この場合も20分後の場合と同じ様に, 第7葉直下の節間で最も高く, 次いで2節下位の節間, 3節下位の節間の順に高かった. 第7葉から上位の節間では下位の節間に比べて14C-活性の高まりが時間的に遅かった. その中では特に第7葉側の維管束で14C-活性が高く, 反対側の維管束で低かった.このような維管束間の14C-活性の差は14CO2施与開始後の時間の経過とともに小さくなった.
3. 第7葉と同一節に着生した果実内での14C-活性は14CO2施与開始2時間後, 4時間後, 20時間後の場合とも, 果托部, 隔壁部, 果心部, 胎座部の第7葉側の維管束で最も高かった. それぞれの部分で14C-活性が最も高かった維管束を比較すると, 14CO2施与開始後の時間が短いほど果実の外側の部分に当たる果托部で高く, 時間が経過するほど果実の内側の部分に当たる胎座部で高かった.