抄録
ノンパラメトリック手法を用いて,気象庁の全国51観測地点における1901~2006年の年最大日降水量データから100年確率値を求め,従来手法による確率値と比較した.その結果,各地点における両確率値の相関係数は0.98,両者の比は51地点平均で1.03と,ほぼ同等の値が得られることが分かった.しかし,過去に極端な値が出現した地点では,ノンパラメトリック手法による確率値の方が上方に引きずられる傾向が見られた.一方,Bootstrap法による多数回のリサンプリングによって求められた標準偏差は,過去の極端な観測値と高相関であることから,ノンパラメトリック手法によって得られた確率値の不確実性を表す指標として有効である.