2008 年 4 巻 2 号 p. 2_54-2_65
本研究では,科学技術白書を分析し,分析結果に基づいて,産学連携関連施策がどのように変遷してきたかを考察した.その結果,産学連携が活発化する転換点は1995年の科学技術基本法制定と1996年の第1期科学技術基本計画策定であることが科学技術白書の記述から確認できること,科学技術白書発行開始の当初から産学連携の重要性は認識され産学連携関連施策も早い段階から科学技術政策として実施されてきたこと,産学連携は様々な科学技術施策の中に組み込まれ現在もその重要性は変わっていないことが分かった.今後の課題としては,これまでの産学連携関連施策に対する評価,施策を実施した成果を分析し,成功と不成功の要因,期待される産学連携関連施策のあり方について研究することが必要である.