抄録
EU諸国内で最高水準の容器包装リサイクル率を達成しながらも,比較的低費用でその運用を行っている国がベルギーである。ベルギーでは,日本とほぼ同時期に容器包装廃棄物リサイクルの制度が導入され,家庭系の容器包装廃棄物については事業者団体 Fost Plus と自治体が連携して,リサイクルを行っている。本研究では,国内で紹介されることの少ないベルギーの容器包装リサイクルについて,最新のデータをもとに物量的側面と財政的側面から報告する。そして,日本の容器包装リサイクルとの比較を通じて,ベルギーにおける容器包装リサイクルの費用効率性の要因を分析し,効率的なリサイクルのあり方について検討する。