抄録
症例は,20歳時にサルコイドーシスと診断された女性.33歳時に第一子を出産.出産3ヵ月後より咳嗽,呼吸困難を認め,血清ACE活性の上昇,胸部X線写真にて肺野病変が出現したが,症状出現後約1年で自然軽快を認めた.34歳時に第二子を出産.出産3ヵ月後より,第一子出産後と同様の経過を認めたが,呼吸困難が強く,ブデソニド800 μg/日の吸入が開始された.その後呼吸困難の改善を認め,約6ヵ月後には肺野病変の改善を認めた.41歳時に第三子を出産.出産2ヵ月後より呼吸困難,咳嗽の悪化を認め,ブデソニド1,600 μg/日の吸入を開始した.その後,呼吸器症状の改善を認めた.分娩を契機にサルコドーシスが悪化することは知られているが,本症例では3度の分娩後いずれも肺野病変の悪化を認めた.本症例では,高用量のブデソニドの吸入が,呼吸器症状の改善に寄与したものと考えられた.