抄録
サルコイドーシスによる死亡の約半数は心病変によると言われ,早期診断と早期治療開始が重要である.しかし,心臓サルコイドーシスは,多彩な病態と低い生検診断率のため,診断に難渋することが多い.2006年に診断精度の向上と治療指針の明確化を目指し,心臓サルコイドーシス診断の手引きの改訂が行われた.今後,改訂された診断の手引きについて多施設での継続した検証が必要である.これまで,本症の臨床病態や治療の実状について多施設での調査はされておらず,不明な点も多い.現在,心臓サルコイドーシスの診断と治療の実際について多施設共同研究を行っており,これまでの途中経過を報告する.