抄録
心臓サルコイドーシスの診断において,心電図,X線,心エコー図,心筋血流シンチグラフィ,心臓カテーテル検査などで観察される異常所見は,心筋組織障害あるいは刺激伝導障害に由来するものであり,疾患特異性に欠けるため,確定診断には十分な精度を持たない.そこで,心筋生検を実施することになるが,心臓サルコイドーシスの病巣は限局性であるために組織採取に限界があり,診断能は極めて低い.本研究では,炎症イメージングとしてのF-18 FDG PETの本診断における有用性と限界について,「診断の手引き」(1992年と2006年)に基づいて診断された47症例(56±11歳,男性16例・女性31例)を対象として検討した.その結果,①空腹条件下での撮像,②心筋局所の高度集積像の観察,③血流画像との対比,④SUV値の利用に基づいて診断した場合,検出率は89%と極めて優れていた.また,副腎皮質ステロイドホルモン薬(ステロイド)治療の効果判定や,長期フォローアップにおける疾患再燃の診断にも有用性が認められた.