抄録
4例の二次性の上葉肺線維症を報告する.いずれの症例も組織学的にpleuroparenchymal fibroelastosis(PPFE)と診断しえた.[症例1]肺移植後の慢性拒絶の1表現型として発症したPPFE.30歳で生体肺移植を受け,4年4ヵ月で死亡した.剖検にてPPFEと閉塞性細気管支炎(BO)の両者が証明された.肺胞内病変と末梢気道病変のいずれが優勢かにより,肺線維症もしくはBOSという表現型が決定することが推察された.[症例2]潰瘍性大腸炎(UC)で治療中にPPFEを発症した44歳,男性.[症例3]MACを併発したPPFE.48歳時,気胸を発症し,生検でPPFEが証明された.気胸後1年以上経過して喀痰からM. aviumを排菌するようになった. MAC感染がPPFEの発症・進展に直接関連があったかどうかは不明である.[症例4]食道癌に対する放射線照射後に呼吸不全が進行し,照射後4年で死亡した70歳,男性.剖検によりPPFEと判明した.放射線肺障害の一つの表現型としてPPFEという組織学的パターンがどのような臨床的背景で出現するのか今後の研究課題である.