保守不良の加湿器の使用は過敏性肺炎の一因と考えられている.当院で職員用に使用している31台の家庭用加湿器を対象に,貯留水と吹出気に含まれる微生物についての検討を行った.貯留水,吹出気ともに28台(90%)と高率に微生物を検出し,そのうち14台(45%)で吹出気中と貯留水中の微生物が一致した.また,貯留水より非結核性抗酸菌(nontuberculousmycobacterium: NTM)を19台(61% )で検出した.加湿トレーの洗浄頻度が高い群(毎日~1週間毎)は,低い群(2週間毎~季節毎)と比較し,エンドトキシンが有意に低値であった(P=0.048).唯一,加熱式加湿器は微生物の検出がなくエンドトキシンも低値であった.加湿器による過敏性肺炎の原因として,一般細菌,NTMやエンドトキシンなど様々な要因が関与している可能性がある.