日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
Online ISSN : 1884-6114
Print ISSN : 1883-1273
ISSN-L : 1883-1273
症例報告
低用量ステロイド治療で改善した耳下腺と筋病変を伴ったサルコイドーシスの1例
高橋 晴香亀田 優美市村 志保伊藤 峰幸四十坊 典晴
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 43 巻 1_2 号 p. 108-111

詳細
抄録

症例は63歳女性.ぶどう膜炎を指摘され,当院を紹介受診した.経気管支肺生検で組織学的診断はできなかったが,両側肺門・縦隔リンパ節腫脹,67Ga citrateシンチグラフィで肺門への集積と気管支肺胞洗浄液検査でリンパ球増多とCD4/CD8高値があり,サルコイドーシスと臨床診断され,経過を観察されていた.診断から3年5カ月後に全身倦怠感と両側の眼瞼周囲と耳下腺部の腫脹が見られ,受診した.ACEが上昇し,67Ga citrateシンチグラフィでは両側耳下腺と両大腿の筋肉内に集積が亢進し,大腿の骨格筋MRIで67Gaの集積がある部位に一致してT2W1で高信号を示す病変が多発性にあり,耳下腺病変と大腿に筋病変を有するサルコイドーシスと臨床診断した.日常生活に支障を来す症状を伴った胸郭外サルコイドーシスに対し,低用量ステロイドで治療を行い,改善した.

著者関連情報
© 2023 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top