日本口腔内科学会雑誌
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総説
思春期および若年成人世代におけるがん生殖医療
大和田 倫孝
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2024 年 30 巻 1 号 p. 13-18

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抄録
悪性腫瘍の治療成績の向上に伴い,15歳から39歳までの思春期および若年成人(AYA)世代に対して,妊孕性温存を検討する機会が増えた。
我が国での悪性腫瘍の年間罹患数は100万人で,AYA世代での罹患数は2万人,そのうち女性が1.4万人(67%)で2/3を占める。妊孕性温存法として,子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌などの初期婦人科癌では手術,薬物療法が可能である。子宮頸癌では発症原因であるヒトパピローマウイルスに対する予防ワクチンが有効である。婦人科癌以外では,治療前の受精卵,未受精卵および卵巣組織凍結が選択肢になる。妊娠中に発見される悪性腫瘍では乳癌,甲状腺癌,子宮頸癌,白血病などが多い。抗がん剤の投与は妊娠14週以降から可能だが,眼,造血器系や中枢神経系は抗がん剤による障害を受けやすく,できれば妊娠17週以降を推奨する。
妊孕性温存法では,短期間に患者に説明し,速やかな意思決定につなげるために,多職種連携が必須である。
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