日本東洋医学系物理療法学会誌
Online ISSN : 2434-5644
Print ISSN : 2187-5316
特別講演
慢性疼痛イノベーション
- これからの私たちに必要な考え -
伊藤 和憲大町 成人
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 48 巻 2 号 p. 17-22

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抄録
 鍼灸治療は昔から痛みに対して効果的な治療法であると考えられている。実際、腰痛や膝痛、 頭痛のような末梢性の痛みに関しては、大規模な臨床試験が行われており、その有用性が証明さ れている。他方、同じ痛みでも、線維筋痛症や CRPS のような痛みでは、痛みを感じる部位が、 たとえ筋肉や関節であったとしても、その原因は脊髄や脳が関与する中枢性の痛みとして捉えら れており、末梢性の痛みに比べて、中枢性の痛みは難治性で、慢性化しやすく治療に難渋するこ とも多い。しかしながら、慢性疼痛に対する鍼灸治療のエビデンスは現在多数存在し、2021 年に 発刊された「慢性疼痛ガイドライン」の中でも、鍼灸治療は「施術することを弱く推奨する」と ある程度の評価を得ているため、痛みの機序を理解した上で治療を行えれば、とても有効な治療 である。
 そこで、今回は痛みの鍼灸治療の中でも各種の痛みについて最新の知見を加えたうえで、解説 したい。
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© 2023 一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
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