抄録
治療やリコンディショニングを行う中で、鍼やマッサージ、徒手療法、そして運動療法など様々 な有用なアプローチ方法があるが、ストレッチもその一つである。ストレッチの効果とし、筋腱 複合体における粘性変化(直接的)と反射による変化(間接的)、さらに器質的変化だけでなく痛 みに対する許容度の変化(慣れ)が挙げられ、それぞれ急性効果と慢性効果が見られる。そして、ストレッチの種類として、一般的に静的、動的、バリスティック、徒手抵抗、フォームローリン グが挙げられる。このようにストレッチの効果や手法は様々あるため、スポーツ現場、医療機関 において、各々の怪我、痛みの種類や時期に応じて、どれが適切か選択する必要がある。
これまで、投球障害のリコンディショニングやトレーニングに携わっていたため、それらのス トレッチを中心に論じる。投球障害の可動域や柔軟性の特徴として、肩甲上腕関節外旋可動域の 増大、内旋・外転・水平屈曲可動域の低下、小胸筋タイトネス、胸椎回旋・伸展可動域の低下、 そして股関節内旋可動域の低下が主に挙げられる。その制限因子は様々であるため、骨性か、筋・ 筋膜か、関節包などによるものか、または炎症やスパズムなどによるものか正確に評価をしたうえで、適切な方法を選択する必要がある。
そこで、今回は、それらのストレッチ方法の一例を紹介する。