抄録
当科外来を受診する患者の実態は、約 2/3 が他の診療科からの診療依頼があった患者である。脳 神経内科や耳鼻科、整形外科、リウマチ・膠原病科、リハビリテーション科などからの診療依頼 が多く、難治性の疼痛や麻痺、一連の不定愁訴の患者が多い。こうした患者群に対する鍼灸治療は概ね期待すべき効果が得られ、患者の QOL の向上にも関与することから、医科大学病院において有用性の高い治療法であることが示唆された。
本邦の診療ガイドラインに鍼灸治療が記載されている疾患は、片頭痛や緊張型頭痛の一次性頭痛、また脳卒中や線維筋痛症、がん、筋萎縮性側索硬化症の疼痛などである。
当科で専門診療科と共同で実施した基礎・臨床研究の成果から、鍼灸や手技療法は生体の正常化作用に寄与することが明らかとなり、こうした生体反応が伝統医療の特質と考えている。
本学会は、鍼通電療法やあん摩・マッサージ・指圧を基本とした手技療法、さらに、あはき教育(視覚障がい教育)の発展に精進し、鍼灸や手技療法を現代医療の中に明確に位置付けることを目的 とする。