2022 年 29 巻 3 号 p. 23-26
脊髄刺激療法(spinal cord stimulation:SCS)は中枢性脳卒中後疼痛(central post-stroke pain:CPSP)に対してpoor indicationとされているが,CPSPに対してBurstDRTM刺激が有効で,かつ経時的に刺激間隔(刺激オフ時間)を延長できた症例を経験したので報告する.【症例】60歳女性,右脳梗塞後に出現した左半身の疼痛に対して,投薬およびブロック療法は効果がなかったため,脊髄刺激療法目的で当科に紹介受診となった.SCSトライアルを施行したところ,BurstDRTMモードが有効であったため植え込み術を施行した.刺激オフ時間の延長は,SCSの問題点となっている慣れや耐性の解決策の一つであることから,経時的に刺激間隔を30秒オン,90秒オフから360秒オフまで延長したが,刺激開始時と同等の効果が得られている.【結語】BurstDRTMモードが有効であったCPSPを経験した.効果を減じることなく,経時的に刺激オフ時間を90秒から360秒まで延長することができた.