抄録
本邦においては、経腸栄養至上主義と表現してもいいような傾向があるため、静脈栄養の有効性や効果が実感されにくくなっている。簡便なTPNキット製剤の普及により、静脈栄養の処方内容や実施方法についての啓発活動が不十分になっていることも一つの理由であろう。適正な投与量・投与組成、適切な投与経路の造設と管理を行えば、静脈栄養は極めて有効で、特に、QOLの改善・維持向上に果たす役割は大きいことを再確認すべきである。静脈栄養自体に栄養治療効果があること、SPNとして食事や経腸栄養と併用することの有用性、cyclic TPNという管理方法によって輸液休止期間を設けることによる輸液ラインからの開放、PICCは中心静脈カテーテル挿入時の患者の恐怖心を軽減できる方法で、上腕PICCが推奨されること、CVポートは患者のQOLの維持向上に極めて有用であるが、上腕ポートは特に女性のQOLを考慮した場合には推奨される、など、特にQOLとの関連が強いものについて概説した。