日本小児外科学会雑誌
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Mckusick-Kaufman 症候群の1新生児例
大橋 忍長島 金二土屋 博之根本 貴史
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1994 年 30 巻 2 号 p. 296-302

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抄録

Mckusick-Kaufman 症候群(以下 MKS)は,膣閉鎖による hydrometrocolpos と postaxial polydactylyを合併する非常に稀な症候群である.今回我々は MKS の1新生児例を経験したので報告した.患児は出生前超音波検査にて腹部腫瘤が疑われ,帝王切開にて出生した.外陰部には膣の開口部は見られず,また腹部には hydrometrocolpos を認め,さらに左足第5趾側に多趾症が存在したことから MKS と診断した.生直後に膣痩造設術を,生後6ヶ月に膣・膀胱瘻切離術,膣形成術および膣プルスルー術を施行した.術後経過は良好である. MKSは欧米では70例,本邦では MKS としての症例報告は本論文が初めてと考えられる.

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© 1994 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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