日本小児外科学会雑誌
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体重5kg未満でgastric transpositionを施行したB型食道閉鎖症の1例
橋詰 直樹飯沼 泰史内藤 真一新田 幸壽平山 裕
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2011 年 47 巻 2 号 p. 269-273

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抄録

症例は現在2歳の男児.出生後にGross A型食道閉鎖症,十二指腸閉鎖,直腸肛門奇型と診断し,出生当日に胃瘻造設,人工肛門造設,十二指腸閉鎖根治術を施行した.生後2か月ころより上気道炎から重症肺炎となり,呼吸管理を余儀なくされ,早期の食道閉鎖症根治術が必要と判断した.食道閉鎖は上下食道8椎体long gap症例であったことから,日齢82に全胃吊り上げ食道再建法(gastric transposition:以下GT)を施行した.その際に上部食道に気管食道瘻を確認しGross B型食道閉鎖症(以下B型)と診断を改めた.B型は食道閉鎖症の中でも稀な病型であり,またlong gap症例が多いことから治療手順や治療方法に苦慮することも多い.今回我々は本症例の経験から,複合消化管奇型を合併したB型-long gap例-の治療戦略・GTの実際などについて文献的考察を加えて報告する.

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