抄録
横行結腸軸捻転症(以下,本症と略)はまれな疾患であるが,脳性麻痺や精神運動発達遅滞児に発症しやすいことが知られている.今回われわれは 13 トリソミー児に発症した本症の 1 例を経験したので報告する.症例は 3 歳,男児.精神運動発達遅滞があり前医に入院中であった.慢性便秘に対して緩下剤が投与されていたが腹部膨満,胆汁性嘔吐のために当科に紹介された.精査にて結腸の絞扼性イレウスの診断で,緊急開腹を行うと,横行結腸が捻転しており捻転解除,壊死結腸切除・吻合,盲腸~上行結腸固定術を施行した.術後経過は良好で 15 日目に前医に転院し,術後24 か月の現在,再発は認めていない.本症の治療方針は非観血的治療と観血的治療に大別され,前者には注腸造影や大腸内視鏡による整復があり,後者には再捻転を考慮した過長腸管切除術や腸管固定術,また基礎疾患を考慮した人工肛門造設術などがあるが,個々の症例に応じた術式選択が必要である.