日本小児外科学会雑誌
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症例報告
四肢と肩甲骨部の動静脈奇形に対して血管内治療が奏効した 2 例
野村 元成上原 秀一郎大須賀 慶悟東原 大樹大植 孝治福澤 正洋
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2013 年 49 巻 1 号 p. 62-65

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抄録
我々は四肢と肩甲骨部の動静脈奇形(AVM)に対して血管内治療が有効であった 2 例を経験したので報告する.〈症例1〉15 歳男児.13 歳頃より運動時の右肩の疼痛を自覚し,徐々に右上肢挙上が困難になった.症状増悪のため14 歳で前医を受診し,造影 CT にて血管性病変を指摘されて当院紹介受診となった.血管造影にて右肩甲骨付近に nidus を認めたためAVM と診断し,計 3 回の TAE を行った.症状は若干軽快している.〈症例2〉15 歳女児.3 歳頃より左大腿後面に腫脹を認めるも症状なく経過.11 歳時に疼痛を認め,前医での画像検査にて AVM を疑われ当院紹介受診となり,TAE や無水エタノールによる硬化療法など計 3 回の血管内治療を行った.症状も軽快し画像上もnidus は著明に縮小している.AVM の治療目標として症状改善が重要であり,特に小児では低侵襲で複数回治療可能な TAE や硬化療法のような血管内治療が有効と考えられた.
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