抄録
症例は生後22 日,女児.右頸部腫脹を主訴に当院受診となった.MRI 検査で右頸部から縦隔にかけて 60 mm 大の囊胞性腫瘤を認めた.腫瘤が増大傾向を示したため,生後9 か月時に手術を行うこととした.手術に先立ち硬性気管支鏡検査を行い,右梨状窩瘻と診断した.瘻管内にガイドワイヤーを留置し,右頸部襟状切開で瘻管及び囊胞を完全切除した.術後合併症として右声帯麻痺を発症した.
頸部へ連続する囊胞性縦隔腫瘤では,稀ではあるが梨状窩瘻が鑑別疾患のひとつとなる.手術は,反回神経損傷に留意する必要がある.