抄録
診断に難渋した腸間膜発症組織球性壊死性リンパ節炎の症例報告.症例は手術歴のない14 歳男児.嘔吐,腹痛,下痢,発熱を主訴として小児科を受診し,腹部単純レントゲン写真で小腸全体に腸管麻痺像が認められたため入院となった.CT では腸管拡張が著明で腹水が貯留.明らかな腸管の狭窄はなく脈管の血栓もなかった.入院第5 病日でWBC 10,480/ml,CRP 6.58 mg/dl,CPK 3,722 IU/ l で,発熱が持続していた.絞扼性イレウスを疑って開腹したところ,混濁した腹水を認め,回腸末端から口側に約20 cm の漿膜発赤を伴う浮腫腸管を認めた.病変部と思われる腸管と腫大したリンパ節を生検して閉腹した.その後症状,検査所見共に著明に改善し,第13病日で退院となった.生検したリンパ節には,濾胞中央の壊死像と,周囲辺縁洞に核を貪食した組織球,腸管壁には散在する筋層の壊死像が認められた.