抄録
症例は1 歳,男児.新生児期から胸骨切痕部の皮下腫瘤に気づかれていた.経過観察となっていたが1 歳8 か月時に感染による腫脹をきたし切開排膿処置を行った後,感染所見が軽快してから1 か月後に摘出術を行った.腫瘤は囊胞病変で胸骨柄上部に存在し瘻孔や骨との癒着は認めなかった.病理組織学的検査にて気管支原性囊胞と診断した.小児の気管支原性囊胞は通常は縦隔内に発生し,皮下に発生するケースは稀である.皮下気管支原性囊胞の多くは新生児・乳児期に胸骨上部に発生し,経過中に感染症状を呈することがあり,積極的な外科治療が望まれる.