2016 年 52 巻 6 号 p. 1163-1168
【目的】気管支原性囊胞の自験例を集計し,今後の診断治療の参考とすべく,発生部位別にその臨床像,病理像を明らかとする.
【方法】1989 年1 月より2015 年12 月までに当科で経験した気管支原性囊胞13 例を対象とし診療録を用いて後方視的に臨床所見と病理所見を詳細に検討した.
【結果】年齢は0~12 歳(中央値9 歳)で性別は女児4 例男児9 例であった.発生部位は縦隔7 例,胸腔内4 例,頸部2 例で,初発症状は頸部腫瘤が2 例,発熱が1 例,胸背部痛が3 例,無症状が7 例であった.気管支原性囊胞に特徴的な病理所見である気管支腺や気管軟骨を11 例に認めたが,2 例では腫瘤壁の炎症が強く認めなかった.
【結論】10 歳以上の年長児にみられた症候性の縦隔症例は腫瘤サイズの増大とともに症状も増悪し,腫瘤サイズ増大とともに気管・食道との癒着が高度となり,その結果手術難度を上昇させることが示唆された.肺内症例は固有の胸膜を有し正常肺実質と交通がない肺葉外発生型と,正常肺実質と接し肺胞や気道レベルでの交通を有し,感染を合併する肺葉内発生型の2 種類に分類されると考えられた.頸部症例は術前診断が困難であり,気管と離れた部位に腫瘤が発生していた.