2018 年 54 巻 2 号 p. 242-247
【目的】近年スポンジ圧迫療法の有用性が報告されているが,詳細な検討はなされていない.そこで,後方視的に有効性を検討した.
【方法】2004年1月1日から2016年12月31日までに当科で臍ヘルニアと診断され,圧迫療法施行後,追跡が可能だった症例を対象とした.これらの症例を閉鎖群と非閉鎖群の2群に分け,比較検討した.検討指標は,性別,ヘルニアの形態,在胎週数,出生体重,圧迫療法開始日齢,臍ヘルニア最大径,ヘルニア門最大径,ヘルニア門閉鎖日齢,圧迫療法期間である.統計解析ソフトはJMP® Pro 13.0.0を使用し,P<0.05を有意差ありとした.
【結果】臍ヘルニアの診断を受けた1,866例中,圧迫療法施行後,追跡可能だった症例は1,286例であった.閉鎖群は1,134例(88.2%),非閉鎖群は152例(11.8%)であった.全指標中,ヘルニアの形態,在胎週数,出生体重,圧迫療法開始日齢,圧迫療法期間,ヘルニア門閉鎖日齢に有意差を認めた.また,圧迫期間,閉鎖日齢のカットオフ値はそれぞれ144日間,321日であった.
【結論】在胎週数が小さいほどヘルニア門が閉鎖しやすい.出生体重が小さいほどヘルニア門が閉鎖しやすい.臍上部型は臍部型よりヘルニア門の閉鎖率が低い.圧迫療法を行う場合,年齢が11か月を過ぎるとヘルニア門の閉鎖率が低下する.圧迫療法期間が4.8か月を超えるとヘルニア門の閉鎖率が低下する.