2019 年 55 巻 1 号 p. 104-109
胃GIST,肺軟骨腫,副腎外神経節腫の3病変を伴う稀な疾患をCarney’s triadと呼び,若年女性に多いことが知られている.通常のGIST発生機序と異なり,コハク酸脱水素酵素(SDH)機能異常が原因となる.今回,胃と肺の2病変を伴う不完全型Carney’s triadを経験したので報告する.症例は19歳女性.10歳時に胃前庭部の粘膜下腫瘍と多発肺腫瘤を認め,胃部分切除術を施行,病理検査でwild type GISTと診断された.術後イマチニブを使用したが肺腫瘤は緩徐に増大した.薬剤を変更するも効果なく,胃切除標本を再検したところSDH欠失型のGISTと判明した.右肺上葉の腫瘤は徐々に増大し,19歳時に右上葉切除を施行,病理検査で軟骨腫と診断された.若年者の胃GISTで肺病変を伴う場合,Carney’s triadを考慮して精査加療を行う必要がある.