2019 年 55 巻 1 号 p. 64-67
症例は5歳の女児.間欠的な右下腹部痛のため救急病院を受診した.血液検査で炎症反応の上昇があり,腹部造影CTで右下腹部に小腸を巻き込んだ腫瘤性病変を認め,悪性病変を含めた精査加療目的に当院紹介となった.腹部超音波検査では右下腹部に径5 cm大の腫瘤を認め,内部は固形成分と液体成分が混在し,カラードップラーで腫瘤背側から放射状に腫瘤内への血流の流入を認めた.腹部MRIからも腸管原発の腫瘍が疑われ,FDG PET-CTでは腫瘍内と傍大動脈リンパ節,ダグラス窩に集積を認めた.以上より腹膜播種したリンパ腫を疑い手術を行った.腹腔鏡下に回盲部を受動した後,開腹手術に移行して虫垂原発の腫瘍を直接浸潤した回腸と一塊にして切除した.病理組織学的検査で虫垂原発の非ホジキンリンパ腫リンパ腫と診断し,術後5日目から化学療法を開始した.化学療法後のPET-CTでは転移巣の集積亢進は消失し,良好な経過をとっている.