日本小児外科学会雑誌
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症例報告
腸間膜裂孔ヘルニアにより消化管穿孔を生じた超低出生体重児の1例
石井 惇也小笠原 有紀西崎 直人山田 進大日方 薫岡崎 任晴
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2019 年 55 巻 1 号 p. 95-98

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抄録

症例は,切迫早産にて在胎24週2日緊急帝王切開で院内分娩となった女児.出生時体重539 g.直ちにNICU入院.日齢4より母乳での経腸栄養を開始した.日齢7より腹部膨満が出現し,日齢9の腹部X線にて腹腔内遊離ガス像を認めたため,緊急手術を施行した.開腹すると径1.5 cm大の回腸腸間膜欠損孔へ回腸が嵌入した腸間膜裂孔ヘルニアで,穿孔部位は嵌入腸管で回腸末端より5 cm口側の位置であった.穿孔部を含め血行障害を呈していた回腸約20 cmを切除し,単孔式回腸瘻を造設した.日齢188に回腸瘻閉鎖術を施行し,術後順調に経過している.腸間膜裂孔ヘルニアは稀な疾患であるが,超低出生体重児の腹部膨満,腸閉塞症状の病態では本疾患も念頭において対応する必要がある.

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