【症例1】14歳男児.主訴は食欲不振・るい痩で,腹部造影CT検査で腹部腫瘤を指摘され紹介となった.下行結腸に完全閉塞を伴う全周性隆起性病変とS状結腸以下に多発polypを認めた.左半結腸切除,D2+傍大動脈リンパ節郭清を行い,stage IVの診断であった.術後化学療法を行ったが,診断から1年後に死亡した.【症例2】10歳男児.主訴は血便・腹痛.腹部造影CT検査で腸重積の診断となり紹介となった.年齢と部位より器質的疾患の存在を考え,緊急で審査腹腔鏡を施行した.横行結腸脾弯曲部の腸重積部分に腫瘤性病変を認め,悪性リンパ腫と判断し局所切除を行った.病理診断は粘液癌で,腹腔鏡下左半結腸切除とD3リンパ節郭清を追加した.Stage IIIbの診断で化学療法を施行し,術後2年無再発生存中である.【結語】小児大腸癌は極めて稀であるが,年長時の遷延する消化器症状では鑑別する必要がある.