日本小児外科学会雑誌
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症例報告
異時発症の両側新生児精巣捻転が疑われた1例を含む新生児精巣捻転の4例
村上 雅一矢野 圭輔馬場 徳朗春松 敏夫大西 峻山田 耕嗣山田 和歌川野 孝文加治 建家入 里志
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2019 年 55 巻 5 号 p. 962-967

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抄録

新生児精巣捻転(以下,本症)は緊急手術の適応や対側の精巣固定の是非を含め標準化された治療戦略がない.今回,異時発症の両側新生児精巣捻転疑いの1例を含む,本症4例を経験した.症例は日齢1~10の男児.いずれも陰囊の腫大・腫瘤にて発見され緊急手術で患側の除睾術もしくは固定術を施行した.1例は5歳時の超音波検査で,対側精巣の萎縮と点状の石灰化を認め,異時性の対側捻転が疑われ現在も経過観察中である.これを踏まえ直近1例は対側検索・固定を施行した.本症は一般的に胎生期に発症し,不可逆性で緊急手術を行っても精巣温存率は極めて低い.しかし本症の7%は両側発症で,異時性に生後発症すると考えられている.そのため術中対側検索による早期発見と精巣固定術施行により,対側精巣を温存できる可能性がある.両側捻転は両側精巣と妊孕性の喪失につながるため,本症は緊急手術のうえ対側の検索および固定をすることが必要と考える.

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